平成26年度 本山夏安居が行われました。(更新日 2014/06/30)
平成26年6月28日から29日にかけ、本山夏安居(げあんご)が行われました。
安居(あんご)とは、僧侶が一定期間、外に出ずに屋内にこもり修行を行うことを指しますが、元来安居とは仏教の始まりの地であるインドにおいて、雨季に増える虫への不用意な殺生を避けるため、一定期間は外出せずに、これを良い機会として御堂において皆で修行を行ったことがはじまりと言われています。
当日は、本願寺執事長大谷堂役より、本山夏安居開会にあたっての挨拶と注意事項、スケジュールの説明があり、引き続き僧侶と寺族と2班に分かれ安居が開会されました。
僧侶の班は、本堂で本山堂衆(どうしゅう)より儀式習礼を受講し、法要時の出退作法や経本の頂き方など繰り返し教授を受けました。当たり前に行っている歩き方や姿勢、目線の位置など所作の重要性を改めて気づかされる習礼となり、慣れに溺れず、日々研鑽を積むことの大切さに気付く機会となりました。
また、寺族の班では本山堂衆より、真宗の御教えや、お寺と檀家との関係、本願寺の歩んできた歴史等の宗門僧侶の家族としての自覚促進、意識の共有化を目的とした講義が行われました。
- 習礼
2時間に亘る習礼と講義が終わった後は、僧侶と寺族が夕食をともにし、束の間の休息の後には大谷光輪本願寺御門主台下による宗門特別講義が行われました。
特別講義では御門主台下自ら僧侶達1人ずつに質問を投げかける形での講義が行われ、僧侶とは何か、また、現代の仏法領を取り巻く状況や、本願寺宗門の今後の発展への御展望について等、御話を頂戴いたしました。
御講義を頂いた後、御門主台下より頂戴した命題に関して、本山堂衆と僧侶達で話し合う座談の場がもたれ、布教者としての使命、そして宗門の今後について熱く議論を交わし、夏安居の1日目は終了となりました。
- 宗門特別講義
2日目は、朝早くより本堂や境内の清掃から始まりました。本堂を清掃・荘厳(お飾りを整える こと)することは、僧侶の責務であると共に、仏徳讃嘆の第一歩であります。
清掃を終えた後は朝食を頂き、その後、僧侶たちは本山晨朝(朝のお勤め)に出仕するため衣体を着用しに更衣室に移動。寺族は晨朝参詣に本堂へと移動となりました。晨朝には、前日の堂衆による習礼を意識しながら、僧侶たちは堂衆と共に外陣へ列座で出仕し、お勤めを行いました。
晨朝後は、安心(あんじん)に対して各々が改めて意識し、また皆で認識を共有するために「浄土真宗の救いとは」をテーマとした感話の発表が行われました。ここでの感話とは、自らの体験・経験を通して、自分自身が感じたことを、素直に飾らず出来るだけ人に伝わりやすい様に、皆の前で話すことを目的としたもので、「法話」の前身、今後僧侶として御仏の御教えを伝導していくための習礼とするものであります。
代表者6名の各々が、浄土真宗並びに阿弥陀如来の御救いに対して感じる所の経験を、緊張しながらも出来る限り堂々と、また言葉を一つ一つ選びながら、一所懸命に話しておりました。
- 感話発表
感話の発表を終え、夏安居も閉会式となりました。閉会式では、御門主台下より僧侶一人ずつに修了証の授与が行われ、これをもって平成26年度の本山夏安居は終了となりました。
夏安居に参加した僧侶からは「御門主台下より御直々に講義を頂戴し、またとない機会だった。これを糧に、今後も仏徳讃嘆・仏法求道に励んでいきたい。」「皆で一堂に会し、2日をかけ仏道を歩む者として研鑽を積んだことは、これまでに無い経験だった。今後の宗学堂での学びや本山での報恩行に対して、心身ともに引き締まった。」等の言葉が聞かれました。
また、ご家族からは「夫が僧侶になるに至った理由がわかった様な気がする。私も人生の伴侶として、より考えていくべきことが増えた。」等の言葉が聞かれました。
- 修了証授与式
本願寺眞無量院では、毎年、本山宗門僧侶を対象とした本山夏安居を行っています。宗学堂での学びを経て僧侶となった者にとって、宗祖親鸞聖人から御歴代を経て連綿と続く血法一如の御教えを、本山より直々に頂戴するまたとない機会です。この度頂戴した御縁を因として、今後益々宗門が発展していくことを切に願うところであります。