お知らせ 本願寺 眞無量院からのお知らせです。

平成27年度 本山得度式(更新日 2015/06/17)

 平成27年6月14日(日)、宗学堂初等科専修課程を合格修了した過去最多となる16名が京都本山において得度式を受式しました。

 午前八時半、本山に上山した受式者たちは晨朝(朝の勤行)を参詣後、後見人である大谷浩文本願寺執事長より受式の流れの説明を受け、稚児装束を身に纏い白書院に移動。

 午前十時、静寂な雰囲気に包まれる中、世俗との別れを意味する稚児盃の儀(ちご さかずきの ぎ)が執行されました。

 受式者一人ひとりの名前が読み上げられ、師主たる大谷暢順本願寺御法主台下との御対面の後、台下が御口にされた御酒のお流れを本山堂衆の掛役により受式者全員の盃に注がれ、後見人の「お流れ頂戴」の発声により、受式者は共に稚児盃を干しました。

 その後、受式者たちは本堂に移動。各扉が閉じられ、ゆらめく蝋燭の明かりだけの中、台下より頭に三度の御剃刀を受け、「勝他(しょうた)・利養(りよう)・名聞(みょうもん)」という、「三つのもとどり」を切り、本山本願寺宗門僧侶としての新たな人生を踏み出しました。

 続いて、稚児装束より黒衣へと着替えた受式者たちは、台下より墨袈裟と安靜型念珠を賜り、深い帰依の心の作法である五体投地にて御本尊・阿弥陀如来への礼拝を行い、僧侶としての準備が整うと台下御調声のもと、本山堂衆と共に本堂外陣に出仕して初めての勤行を行いました。

 初勤行に出仕の後、受式者たちの所属寺である本願寺眞無量院御住職殿臨席のもと、親授式が執り行われ、御法主台下より、僧侶となった証である度牒、そして、僧侶としての装束着用を許可する衣体許状、仏弟子の名乗りである法名を賜りました。

 次いで度牒を授けた受式者に御法主台下よりお言葉が贈られました。「僧籍を得た今日から後は、浄土真宗の御教えを拠り所として、広く有縁の人々に伝えてゆく自信教人信の大道をたゆまず歩んでいただきたい」と、これから同じ宗門僧侶としての期待を込められた御言葉でありました。

 それを受けて、本年度受式者を代表し野口真理子さんから、本山宗門僧侶として、本山を崇敬する念を持つとともに、今後の生涯をかけて御念仏の道を歩むことを、力強く誓う御礼の言葉が言上されました。

 この得度式を終えた受式者たちには、本願念佛の御教えを世の中に伝えてゆくという僧侶の本分が、ますます自覚されたことでしょう。

 これからは、本願寺宗門の僧侶として自覚を持ち、本山と共に強く仏恩報謝の大道を歩んでいただきたいと願うところであります。

 合掌

稚児盃の儀
御剃刀を受ける
初勤行
御礼言上