お知らせ 本願寺 眞無量院からのお知らせです。

東京学院物故者追悼盂蘭盆会法要が勤修されました。(更新日 2017/07/16)

 新暦の盂蘭盆にあたる7月16日、本願寺眞無量院 宗学堂東京学院において盂蘭盆会法要が勤修されました。開かれた仏教の学び舎として関東の地より仏教を宣布すべく開講以来5年、東京学院出身の僧侶を主体とした法要が執行されるまでになりました。

 当日は、京都より御下向された本願寺眞無量院 霊眞院大谷飛鳥御住職殿を御導師といただき、東京学院で声明講師を勤められる大谷先生に率いられ、学びを共にした僧侶15名が盂蘭盆会法要に参勤。参詣には東京学院物故者追悼盂蘭盆会法要ということもあり、東京学院修了生、在学生、またその家族や友人など約40名以上の方が押し寄せる賑々しい法要となりました。

 先ずは朗々と響き渡る伽陀(かだ)の声とともに、法要が始まりました。参詣者も持参した勤行集(お経の本)を手にじっとお勤めに耳を傾け、またその後に勤まった仏説阿弥陀経では、僧侶の声に合わせて共に同朋唱和しました。物故者追悼法要でもあり、御本尊(阿弥陀如来)の前には参詣者より持ち寄られた法名軸・過去帳、また漆塗りの位牌が荘厳されています。浄土真宗の仏事では塗りの位牌は用いないのですが、ここは一般に広く門戸を開いた学び舎。家の宗旨宗派を問わず、亡き人を偲ぶことを縁として御本尊に仏徳を讃嘆し、本願念仏の御教えを聴聞するのです。

 参詣には、東京学院において初等科真宗入門の講師であらせられる本山御連枝・霊光院大谷実成殿も御参詣頂き、自ら御教導された僧侶の読経と共に御焼香を賜りました。

 法要終了後、僧侶を代表し2名の方が盂蘭盆会に際しての法話をされます。先ずは、大学での勤務を定年まで勤め上げられ、第二の人生として仏法に身を投じ、得度(出家)し僧侶となった後も東京学院中等科研鑽課程にて布教者としての仏教の学びを深められている平木僧侶より法話がなされました。

 平木僧侶の法話では、浄土真宗における盂蘭盆会の意義についての話をされ、悩み多き衆生に救いの光明をさしのべて下さる阿弥陀如来、またその救いにより佛となられた御先祖が、遇いがたき仏縁に遇わせてくれた私を浄土へとお導き下さることへの感恩の念、報恩の念によりお念仏申し上げることこそが大事なのであると説かれました。

 続いて、仏教発祥の地・インドへの長期出張に赴かれるなど、現役で一般企業に努めながら多忙な日々を送りながら、平木僧侶と同じく、得度後も東京学院中等科研鑽課程にて学びを深められている濱出僧侶より、往相と還相の2つの回向についての法話をされ、亡き人は阿弥陀如来の御本願が成就されたことにより、浄土で仏となり、如来の御働きを讃嘆されている。ただそれのみならず、阿弥陀如来のお手伝いのため、この世に菩薩として戻られ、衆生を導いておられるのです……と、如来の大慈に感謝するお念仏の大切さを説かれました。

 参詣者は2人の法話を聴き、改めて仏恩に深く感謝し、また祖先を偲ぶことは仏徳を讃嘆することにもつながるということを改めて感じ入ったことでしょう。 特に東京では時代の変化によって、葬儀や法事といった場においても本当の仏教の御教えに触れることが難しくなっている中、形式だけでない心のこもった浄土真宗のお勤めを目の当たりにしたのみならず、実のこもった法話まで耳にする貴重な機会だと、法要の終わった後までも感激の声がしきりでした。

 本願寺眞無量院では京都のみならず東京の地においても、報恩感謝の念仏が響き渡り、これからも全国に向けて仏法を発信し続けていく上での大きな一歩となった法会でした。